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*左目の下に穴があると言われた(写真右)
*口臭がきつい
*食欲はあるが食べづらそう
とのことで来院されました。
口腔内を確認すると
歯石が大量に付着し、歯肉が後退していました。(写真左)
特に左上顎の歯肉からは一部膿が出ていました。
左目の下の傷はこの部分の根尖周囲膿瘍による外歯瘻(がいしろう)が疑われました。(写真右)
早期の歯科処置が望ましいことをお伝えし、
後日術前検査後、歯科処置を行いました。
外歯瘻(がいしろう)とは
歯周病が進行し歯の根元に膿がたまると、その膿を排出するため管(瘻管)が作られます。
その出口が口腔外の皮膚に出来た場合を外歯瘻といいます。
多くの場合で目の下の腫れや皮膚の自潰がみられます。
目の下の外歯瘻の多くは、上顎の第4前臼歯や第1後臼歯が原因となって起こります。
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スケーリング
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歯神経ブロック
歯周プローブ検査
通水テスト
プローブ検査でポケットの深かった歯に通水テスト(写真右)を行ったところ
右上顎第3前臼歯と第4前臼歯が口腔鼻腔瘻(こうくうびくうろう)になっていました。
口腔鼻腔瘻(こうくうびくうろう)とは
上顎の歯周病が進行すると、歯を支えている歯槽骨が吸収され鼻まで達します。
すると口と鼻がつながった状態になり、これを口腔鼻腔ろうと言います。
クシャミ・鼻水・鼻出血・目ヤニなどの原因となり、根本的治療はまず原因となる歯を抜歯することです。
歯科レントゲン検査
下の写真の矢印の歯は歯周病の進行により歯槽骨が溶けてぐらついていました。
左上顎の臼歯部のレントゲンです。
黄色の斜線部分(写真右)も歯周病により歯根部の周りの歯槽骨が溶けています。
他の歯でもこのような症状がみられました。
これらの検査により、歯1本1本について温存できるかを判断します。不必要な抜歯は行いません。
しかし、感染が歯根部まで及んでいる場合や歯槽骨を溶かし歯がぐらついている場合は
痛みや感染を取り除くために抜歯処置が必要となります。
今回は重度の歯周病が起こっていたため、多くの歯を抜歯しました。