歯科の治療と処置 103 ボストン・テリア 11カ月 女の子 <歯肉が一部膨れている>

 

 

乳歯の生えかわりが遅いことが気になり口周りを触っていた時、

下顎切歯部分の歯肉が一部膨れているのに気付き、かかりつけの動物病院を受診。

そこで顎嚢胞(がくのうほう)の可能性があるとのことで当院を紹介され、来院されました。

 

顎嚢胞(がくのうほう)とは
顎骨内にできた嚢状のもので、中に液体が溜まっています。

顎嚢胞は周囲の顎骨を圧迫し、歯の喪失や顎骨の崩壊につながる可能性があります。
診断には、麻酔下での口腔内検査と歯科レントゲン検査が必要です。
嚢胞内の液体吸引を行っても再発を繰り返すため、治療は嚢胞壁ごと摘出します。

また、嚢胞の影響を受けた歯は抜歯処置が必要となります。

 

 

 

診察では、下顎吻側左側の歯肉が膨らんでいるのが認められました。また、乳歯が6本抜けずに残っていました。

顎嚢胞の可能性があるため、早期の歯科レントゲン検査・歯科処置を行うことになりました。

後日実施した術前検査では、

大きな異常は認められませんでした。


 

 

 

口腔内の確認

 

やはり左側下顎切歯部分の歯肉は明らかに腫れ、顎嚢胞と思われました。

 

 

 

レントゲン検査

 

下顎のレントゲン写真です。

 

 

 

矢印は抜けずに残っている乳歯です。丸で囲ったところが腫れている部分です。

①の歯の部分は①が歯肉内に埋伏したままで歯冠(歯の頭の部分)が嚢胞内にある「含歯性嚢胞」

②③の部分は、歯根が嚢胞内にある「歯根嚢胞」でした。

 

そこで、乳歯の抜歯、嚢胞の摘出、嚢胞の影響を受けていた①②③の抜歯処置を行いました。

スケーリング

 

乳歯の抜歯

 

 

顎嚢胞の摘出・①②③の抜歯

 

 

 

洗浄後、止血・粘膜保護材を挿入、縫合

 

 

 

ポリッシング

 

 

 

 

 

 

 

 

 

顎嚢胞はあごの骨に大きなダメージを与える可能性がのある病気です。

今回、お口の異常に気付かれたのは飼い主さまでした。

歯の生えかわりや歯肉の様子などを、飼い主さまが日頃見て触ってチェックされていたからこそ、早い段階で気付き、治療。

大事なあごの骨を守ってあげることができました。

毎日のデンタルケアとともに、歯や歯肉の色、腫れ、口臭など、変わったことがないかチェックすることも大切です。

少しでも気になることがありましたら、早期の受診をおすすめします。

2018年10月22日