歯石・歯肉の腫れ・歯のぐらつき<歯周病>(チワワ 6才)歯科症例101

 

 

トリミングサロンで歯がぐらついていると言われた。

歯石も付き、歯肉が腫れているようなので一度処置をして欲しい。

元気や食欲はあり、口を痛がっている様子はない。

とのことで来院されました。

 

左側上顎第2前臼歯がひどくぐらつき、

犬歯・臼歯に歯垢・歯石が多く付着していました。

 

 

術前検査で大きな異常は見つかりませんでした。

 

 

プローブ検査

 

ぐらつきのあった左側上顎第2前臼歯は、ポケットが4mmありました。

左右上下の犬歯のポケットが4~6mmと深くなっていました。

 

レントゲン検査

 

左側上顎第2前臼歯です。

歯根部分が完全に吸収されていることが分かります。

 

 

歯神経ブロック

 

スケーリング

 

ルートプレーニング

 

ポケットが深かった上下左右の犬歯を中心に、歯肉縁下の歯垢・歯石などの汚れを掻き出し、歯面と歯肉の再付着を促します。

 

左側第4前臼歯の抜歯

 

ポリッシング

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

歯科用抗生物質軟膏の注入

 

今回の歯科処置では1本の抜歯を実施しました。

また、すでに欠損している歯が15本確認されました。

 

 

 

 

 

 

 

今回の処置は、ぐらついている歯1本のみ抜歯と、比較的軽度での歯科処置でした。

そのため麻酔時間も短く、より安全な処置を行うことが出来ました。

 

しかし、すでに失われていた歯は15本。

生まれつき歯が欠損しているか、

もしくは歯周病が起こりどこかのタイミングで脱落してしまったか・・・

小型犬種は大型犬種に比べ唾液の分泌量が少なく

また口が小さいため、歯と歯が密集しています。

そのため大型犬種に比べ、歯周病になるリスクが高いです。

歯周病により歯が失われていたとすれば、歯が脱落するまでの間、

痛みや違和感を伴う期間があったはずです。

 

今後は、お家での毎日のデンタルケアで

今残っている歯を守りましょう。

 

2018年09月28日