デンタルチェック時に乳歯の残存を確認しました。
乳犬歯は多く残存しており、下顎の乳犬歯は内側に変位していました。
今回の処置では、残存乳歯(乳犬歯を含む全14本)と
さらに左下顎犬歯を正しい位置に収めるため外科的矯正を行いました。
スケーリング
レントゲン検査
下顎のレントゲン写真です。
青色の矢印が乳歯で、黄色の矢印が永久歯です。
永久歯の歯根部がまだ未完成(黄色点線)で外科的矯正が可能だと判断し、
左下顎犬歯の外科的矯正を行いました。
乳歯の抜歯
<即時傾斜移動による外科的矯正>
右下顎犬歯です。
乳歯の抜歯後、歯科用エレベーターを用いて永久犬歯を移動させます。
そして抜いた乳歯の歯根部を切断します。
切断した歯根部を、永久犬歯の根元に「くさび」として打ち込み
永久犬歯を外側に固定します。
右側上顎
右側下顎
左側上顎
左側下顎
処置から10日後の診察では、抜歯した箇所の傷はきれいに閉じていました。
咬合もほぼ正常になっていました。
飼い主様に様子をお伺いしたところ、口を気にしたり痛がる様子もないとのことでした。
処置から1ヵ月後の診察では、咬合は正常になっていました。
歯科処置から10日後の咬合
本来なら抜けるはずの乳歯が、何らかの原因で抜け落ちず、
永久歯の不正咬合を招くことで、歯肉炎や歯周病をより早く引き起こす原因となります。
すでに不正咬合が起こっている場合、乳歯の抜歯と共に外科的矯正を行うことで、
咬合を正常のケースに戻すことが出来ます。
しかし外科的矯正は永久歯の歯根部が未完成な一時期しか行う事ができず、
矯正する時期が非常に重要となります。
今回、乳歯14本の抜歯と外科的矯正を行い、
このままにしていたら近いうちに起こっていたであろう歯周病は予防することが出来ました。
今後も綺麗な状態維持出来るように、毎日の歯みがきを頑張りましょう!





